家庭学習習慣のつけ方
家庭学習の習慣をつけるには、次の3つのポイントを押さえる必要があります。
1,時間を決めて、毎日同じ時間にやらせる。
家庭学習の習慣をつけるには、まず子どもと相談して、何時から勉強するのか時間を決めましょう。
帰宅時間、見たいテレビ番組、食事の時間、就寝時間から逆算して設定します。
できるだけ毎日同じ時間にした方がいいでしょう。
そして仮に、毎日5時と決めたら、有無を言わせず5時に机に向かわせます。
学校では始業チャイムが鳴れば、どの子も机に座り授業の準備にかかります。
学校でやれていることが、家でできないはずはありません。
それができないのは、家にはルールがないからです。
テレビの時間も遊びの時間も勉強時間もごっちゃにしていれば、子どもは楽しい方、楽な方をとるに決まっています。
子どもにとって、その環境で勉強するには、テレビや遊びの誘惑と、闘わなければなりません。
それこそ大変なやる気がいるのです。
「やろうかな?どうしようかな?」「この番組が終ったら‥」「このゲームをクリアしたら‥」ずるずる延びていきます。
そして、この心の葛藤とテレビ、ゲームに疲れて、精も根も尽き果ててしまうのです。
また、テレビやゲームの最中の「早く勉強しなさい!」ほど、子どものやる気をそぐものはないのです。
これでは仮に勉強したとしても、身に付くはずもありません。
しかし、一旦時間ルールが身についてしまえば、学校と同じように、時計を見て机に向かえるようになります。
やる気など出さなくても、生活のリズムの中で机に向かえるようになるのです。
その方が子どもにとってもずっと楽なのです。
2, 基礎・基本に返って、1日10~15分からはじめる。
家庭学習を習慣付ける上で、心しなければならないことは、親自身がゆとりをもって功を焦らないことです。
たとえ10分、15分でもいいのです。
毎日、決まった時間に、机の前に座って勉強するくせをつけることを主眼とするのです。
そこで実際に取り組む内容ですが、基礎・基本に返るということが大切です。
教科書は学年を追って、基礎から発展へと積み木のように系統的に組み立てられています。
勉強嫌いになっている生徒は、必ずこの途中のどこかでつまずいています。
例えば九九が完璧にマスター出来ていない生徒に、2けた3けたのかけ算やわり算をやらせれば、ますます勉強ぎらいにさせるだけです。
1日で音を上げてしまうでしょう。
国語についても同様で、文章を2、3行読んでいて、度々漢字につまるようでは、書いてある内容など理解できるはずもありません。
前学年の教科書を用意し、いくつか文章を読ませてみて、比較的スムーズに読める学年から始めることです。
「砂上の楼閣」という言葉がありますが、これは、見かけはりっぱであるが、基礎がしっかりしていないために長く維持できない物事のたとえです。
決してあせる必要はありません。
まず基礎、基本からしっかり積み上げ直していくことです。
学校や塾ではなかなか徹底できない基礎・基本のトレーニング学習。
まさにそこに家庭学習の意味と意義があるのです。
また問題集やドリルは、できるだけ薄いものを選びましょう。
何百ページもあるものを、どんと用意されれば、それだけ子供は嫌気がさしてしまいます。
毎日10分~15分、1~2ページずつこなしていって、1ヶ月くらいで消化できるものがいいでしょう。
そして1冊終るごとに、ご褒美も忘れないでください。
そうやって積まれていく問題集の数だけ、自らの努力に対する充実感や達成感を味わうことでしょう。
「ぼく・わたしだって、やればできるんだ!」と自己の能力に対する自信も取り戻していくはずです。
学力はその後に自然とついてきます。
家庭学習習慣をつけるのは、自転車に乗るときに似ています。
自転車も初動にもっとも力とバランスを要します。
一旦走り始めれば、加速するのも坂道を登るのも比較的簡単ですが、坂道発進は難しいですね。
3,3ヶ月は我慢強くささえてあげる。
学力の遅れがちな子供を持つ親は、えてして教え込もうとして失敗します。
親のなすべきことは、目標を持たせることと、毎日続けてやっていくように援助してやることです。
勉強を苦にしないで、日課としてやるようにしつけていくことです。
よたよた歩きなのに、「あんよは上手」とほめたり、励ましたりした一昔前を思い起こして下さい。
親身になって手を貸してやらなければなりません。
いま、わが子は、背丈こそ伸びて親を追いこすまでになっていますが、心身共に勉強を続けてやり通せる力といったら、けっこう赤ちゃん並なのです。
自立して、勉強に打ち込むようになるには、時間がかかります。まず、親の根気が、家庭学習の習慣がつくかどうかのカギとなっています。
家庭学習を習慣化するには、最低3ヶ月の間、親は我慢強く支えてやらなければなりません。
10日や20日で、学力がそう簡単には伸びないのと同じく、勉強する習慣も10日や20日といった短期間ではつかないのです。
このことは、大脳生理学の上からも説明できることなのです。
人間が、一定の行動を無意識に繰り返せるようになるためには、大脳細胞に同じ刺激や興奮が、100回ばかり与えられなければならないのです。
短時間に100回ではなく、大脳細胞から延びている樹状突起が刺激や興奮によって、さらに延びていき、他の大脳細胞と連結し、その軸索のまわりを、髄鞘という脂肪の膜でおおうまで、3ヶ月ばかりかかるのです。
このような細胞のネットワークが完成すると、ことさら努力してみようとしないでも、楽に一定の行動がとれる ようになります。
ハイハイしている幼子が、一人立ちして歩けるようになるまでに、3ヶ月ばかりかかります。
喃語(なんご)を発しかけた赤ちゃんが、意味のある言葉を口にするようになるまで、やはりそのくらいかかります。
逆上がりができない子ができるようになるまで、毎日練習していると100日ぐらいで、どの子もできるようになります。
歯磨きの習慣を付けきるのも、そのくらいの期間はかかります。勉強する習慣も同様です。
大脳細胞のネットワークがきっちり出来上がるまでの3ヶ月間、毎日一定時間は机の前に座って、勉強に取り組むようにしつけてやらなければなりません。
親の根気が事の正否を左右するのです。
以上、3つのポイントをふまえて、是非、お子さんに家庭学習習慣をつけていただきたいと思います。
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毎日の家事や仕事で時間がとれない方、ついつい感情的になってうまく指導出来ないとお悩みの保護者様は、是非ご検討いただければと思います。